【職業訓練税】
LA FORMATION PROFESSIONNELLE CONTINUE



職業訓練とは、技術の進化や労働条件の変化に適応するよう、また、各々の作業能力の上昇をめざす企業の従業員に対する研修制度です。
2003年12月17日の法令により、税率の引き上げと、いくつかの改革(例えば個人の研修権利)が付け加えられました。
今回の実務情報では、職業訓練の基本的な性格を述べます。

A. 課税対象
B
. 従業員数の決定
C
. 課税率と課税基準
D. 義務履行
結論



A. 課税対象

職業訓練税は、その法的形態にかかわらず、フランスに設置あるいは登記された、つまり、フランス領土に自立した営業体を持つ、民間企業のすべてを対象に課税されます。


B. 従業員数の決定

この税金の税率は企業の総従業員数によって異なります。

1. 人員数の範囲

人員数は企業全体について、つまり、企業のすべての施設をあわせて数えます。
また、暦年で一月の平均従業員数が10人以上の企業の場合「普通税率」で課税されます。
10人未満の企業は、軽減税率が適用されます。

2.従業員の定義とその数え方
- 1ヶ月間フルタイムで働いた従業員を1名と数えます。
- 1ヶ月の途中で採用・退職した従業員とパートタイムの従業員はその実働時間の割合で数えます。
- 年間における月の平均従業員数は、各月従業員数暦年一年分を12で割った数字です。
- ある種の従業員はこの人員数から除外されます。 見習、交互契約によるもの等。
- SARLの社長、SAの社長と取締役会メンバーも、人員数に含まれます。


C. 課税率と課税基準

職業訓練の新しい法律により、2004年1月1日より、職業訓練税率は引き上げられました。


1. 従業員数10人以上の企業

企業に課される職業訓練税の普通税率は、暦年一年間に支払われた給与額の1.6%です。(2003年12月までは1.5%) 

1.1 内訳

上記の1.6%は次の3つに分解されます。
- 0.20% 研修休暇。認定機関に3月1日以前に支払う
- 0.50%  青年のための学業と研修交互契約contrats en alternance、(今後は職業化契約contrats de professionnalisationと言う)と研修個人税droit individuel de formation、 3月1日までに認定機関に納付。
- 0.90% 直接企業の従業員の研修に使うことができます。 又/或いは、強制加入(産業界の合意または任意加入している認定機関への支払いとなります。 これも、3月1日までに納付。

1.2 対象期間

  この税金の計算ベースとなる給与額は、暦年の給与額です。

  例. 2004年の職業訓練税は2004年度の給与額累計をベースに計算されます。 2005年4月30日までに申告・納税をします。
  
1.3 課税所得ベース

従業員数にかかわらずすべての企業について、社会保険料と同様のベースです。

1.4 10人という分枝点を超えた企業に対する軽減、免除

総従業員数が課税率の分枝点である10人を超えた企業は、暫定的な税の軽減が適用されます。1年目から3年目までは、軽減税率が適用され、それ以後は
− 4年目 1.6%の75%
− 5年目 1.6%の50%
− 6年目 1.6%の25%

ただし、設立1年目に10人を超えた場合、または会社の合併・吸収による場合は、1年目から1.6%の普通税率が適用されます。


2. 従業員数10人未満の企業

従業員数10人未満の企業は、従業員の研修のための税金を軽減税率で課せられます。

2.1 軽減税率

職業訓練税についての新しい法律は、次のように税率を引き上げました。
− 2004年1月1日以降 0.40%
− 2005年1月1日以降 0.55%

内訳は、
− 0.15% 若年層の職業化交互契約と研修の個人の権利
− 0.25%(2005年は0.4%) 研修についての他の手当

2.2 納税義務

企業は翌年の3月1日までに、属する産業界の合意により定められた、定まった機関に納税しなければなりません。

2.3 課税所得ベース

10人以上の企業の場合と同様です。ベースの金額にかかわらず、課税されます。


3. 他の義務

3.1 期限付契約従業員の個人研修休暇(CIF)のための納付
 
期限付契約の従業員がいる企業は、それらの従業員の個人研修休暇・職能審査経費として、その給与総額の1%相当額の納税義務があります。

給与が支払われた翌年の3月1日までに個人研修休暇CIFのために、認定機関OPCAに納税します。

この1%税は、職業訓練の他の税とは別に独立して課税されるものです。

3.2 個人の研修の権利

研修の新しい資本

2004年から法律により、個人の研修の権利(DIF)研修の新しい措置が定められました。これにより従業員は研修の時間と言う資本を積み立て、雇用者の合意を得た後、この時間を研修に使うことができます。

DIFは、勤続年数1年以上のフルタイム・パートタイムの期限なし契約の従業員に対する措置です。交互契約の若年従業員は除外されています。

フルタイム従業員の場合は、年間20時間のDIFを獲得し、パートタイムはその労働時間に比例して計算します。この権利は6年間、120時間を絶対的限度として累計することが可能です。

雇用者は少なくとも1年に一回書面で、累計されたDIF時間を従業員に知らせる義務があります。DIFは研修のために使われるための権利ですので、従業員になんらかの金銭的な交換条件を与えるものではありません。

DIFの実行方法

従業員の研修依頼届けに対する回答を受け取り、雇用者は1ヶ月以内に回答します。回答をしない場合、従業員の選択を認めたとみなされます。2年間にわたり拒否の回答をした場合、従業員は個人研修休暇CIFを管理する公庫に助力を求めることができます。

産業界の協定や企業の好意的な合意がある場合をのぞき、この研修は一般的に就業時間外に行われます。

雇用者は、研修時間についてネット時間給の50%の手当てを従業員に支払います。この手当てには社会保障費はかかりませんし、企業が納税するはずの職業訓練税から控除することができます。


D. 義務履行

1. 研修費用

1.6%の職業訓練税を課税される企業は、一定の条件のもとに研修を行うことによりその義務を履行することも可能です。研修のための経費は納税すべき上記税から控除することもできます。この費用は「控除可能経費」と呼ばれます。
これらの研修が職業訓練とするには、国に認定された研修機関と企業の間で協約書を結び、それと認定されなければなりません。

研修協約についての経費実費は、それが支払われた/支払われねばならない年の職業訓練税から控除することができます。

2. 研修費用の不足・超過

2.1 超過分繰越

もし企業研修の経費がその年に納税すべき1.6%の税額を上回った場合、3年にわたって繰越ができます。

2.2 経費が不足した場合

もし企業研修経費がその年に納税すべき1.6%の税額に達しなかった場合、その差額は、職業訓練税を納税すべき年の翌年の3月1日以前に認定の公庫に、あるいは、5月1日までに税務署に納付します。

3. 職業訓練年次申告

3.1 申告用紙

毎年3月1日までに書き込んだ申告用紙と共に企業の歳入公庫(organisme collecteur)に納税します。

職業訓練について企業が負担すべき税金は、申告をして、控除可能な企業が組織する研修の有無により、その全額・一部・あるいは0を、業界の歳入公庫に納めることになります。

3.2 申告書式 n°2483

従業員数10名以上の企業は毎年、税務出納局(recette des impôts)に書式n°2483で、その前の年に支払われた給与総額によって計算される課税額と実際に控除可能と認められた費用(研修経費と/或いは歳入公庫への納税額)を申告する義務があります。

研修経費が発生した翌年の4月30日以前に、管轄の税務出納局にこの申請を行います。

企業の研修経費合計が1.6%に満たない場合、この差額は申告書式 n°2483と共に税務署(trésor public)宛に納付します。
納税額は、支払うべき税額プラス不足分となります。

3.3 申告書式 n°2486

従業員数10名未満の企業は毎年4月30日までに、書式2486に支払うべき税額と、既に歳入公庫に納税した額、未納の場合はその旨税務出納局に申告します。税務署に納税する額は、不足分の2倍となります。


結論

ここでは、複雑な税金である職業訓練税に対する企業の義務について、重要な点を説明いたしました。

いうまでもなく職業訓練の目的は、企業従業員の職業上の知識・技能の上昇・改善です。 従業員職能のアップツーデイトをすることにより、企業の生産性の向上を目指しています。